鬼平21世紀江戸市中見廻り写真


第1回 清水門外

火付盗賊改方の役宅は江戸城清水門外に設定されています.

役宅の前は〔牛が淵〕という名の濠です[1]. 市中見廻りに出る平蔵あるいは配下の同心たちはこの濠の風景を目にしながら歩き始めたわけです.




役宅を出て駿河台方面へ市中見廻りに出かけるとすれば,清水濠の脇を通ると考えられます. 巨大な濠や石垣は権力の象徴という意味もあるのでしょうが,現代人の私には,のどかな水辺の風景に見えてしまいます.




武家屋敷が立ち並んでいたであろう方角には,経済成長の象徴が並んでいるのが見えます.




同じ場所で,視線を右に向けると,竹橋が見えます.現在では,濠や石垣はむしろ都心に自然を残す役割を果たしているように思えます.




この辺りは,幕府の施設である〔御つき屋〕がありました[2]. ビルの狭間では町奉行所の同心の流れを汲む人たちが現在も御用を務めています.




市中へ見廻りに出かけるとすれば竹橋ではなく,雉子橋を渡らなくてはなりません.雉子橋から見ると役宅の裏は日本橋川だったことがわかります. ここから舟で隅田川に出て,本所方面の平蔵の出城とも云える,本所二つ目の軍鶏なべ屋〔五鉄〕まで行くことができたと思われます. 昨今,首都高速道路が濠や堀割の上を走っていることが話題になっていますが,江戸時代の舟による動線を模倣しているとも解釈できます. 清水門外の役宅から五鉄まで首都高速がつながっていると考えるわけです.




千代田区役所の裏に舟着き場を発見.台風通過の直後だったので,一番下の段が水没しています.火付盗賊改方役宅の裏にもあったかも知れません.




鬼平配下の同心木村忠吾が役宅近くの俎橋のたもとに出ていた屋台の団子を買って食べていたシーンが鬼平犯科帳「五月雨坊主」に出てきますが,その流れを汲む屋台を発見.




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参考文献


上に掲載した写真を
Nikon Image Space
にも掲載しました.フルスクリーン表示等ができます.是非ご覧下さい.


使用した機材
カメラ:Fujifilm X-E3
マウントアダプタ:KIPON Shift C/Y-FX
レンズ:Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8 T* (MM)


最終更新:2018.01.14