鬼平21世紀江戸市中見廻り写真


第12回 根岸

「女賊」のストーリーで盗賊の隠れ家があった根岸を歩きます.隠れ家は,安楽寺の横道を入った根岸も奥深い竹薮の中にあった,という設定になっています.
 地下鉄・入谷駅から金杉通りに出て安楽寺に向かう途中,小野照崎神社があります. 仕掛人・藤枝梅安「梅安蟻地獄」で,藤枝梅安が後に親しい協力者となる小杉十五郎と初めて顔を合わせて話すのがこの神社の門前の茶屋です.




金杉通りからほんの20 mばかり入った所ですが,表通りの喧噪が届かない静かな佇まいです.




安楽寺山門.周囲の住宅に溶け込んでいます.真正面から見れば門の向こうに本堂が見え,山門らしいのですが.




安楽寺の脇道の路地を入って行くと路地が迷路のようになっています.




ところどころに古い建物があります. 路地には植木鉢が並べられて下町の雰囲気です. 盗賊の隠れ家はおそらく,この近くの御行の松不動尊の周辺を想定しているのだと思われます.




迷路をぐるぐる回っていると看板建築に出会います.




これはかなり貫禄のある銅板建築.




迷路を歩いていると突然大きな寺が目の前に現れたりします.これは世尊寺です.1372年創建の古寺です[1]




鬼平のストーリからは離れますが,しばし根岸を歩きます. 江戸時代から続く豆腐料理屋[2]. 当時は郊外の田んぼや林の中の隠れ家的な店だったそうです. 店の前の植栽がその記憶を留めようとしているのかも知れません.




根岸も特に鴬谷駅の近くは現在もある意味で隠れ家的な場所かも知れません.




これは鴬谷駅前ですが,よく見ると元三島神社が写っています.




元三島神社は鎌倉時代創建の由緒正しい神社です[3]. 昔は根岸の森の中にあったのでしょう. 現在は周囲を,しかも密着して,歓楽街に囲まれています.




神域も歓楽街も,ともに「非日常」ということで通底しているのだと思います.




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@720mamoru


参考文献


筆者は本来写真愛好者です.上に掲載した写真を
Nikon Image Space
にも掲載しました.フルスクリーン・スライドショー等の表示ができます.是非ご覧下さい.


使用した機材
カメラ:Nikon Df
レンズ:Schneider-Kreuznach PA-Curtagon für Leicaflex 35mm F4(マウント改造)


最終更新:2018.03.04