鬼平21世紀江戸市中見廻り写真


第3回 深川扇橋・千鳥橋

平蔵配下の密偵粂八が主人をしている船宿〔鶴屋〕も鬼平犯科帳の重要な舞台の一つです. 鶴屋は大横川が小名木川と交差する地点のすぐ南側の扇橋の近くにあったという設定になっています. 二つの堀川の交差点の西側にある新高橋(1930年竣工[1]).




新高橋の上から交差点を見る.鬼平犯科帳では盗人の舟がここを通るシーンが何度も出てきます.




扇橋の上から北側を望む. 高層マンションが建ってはいますが,都心とは違った広々とした風景で,風景に横の広がりを感じます.


船宿〔鶴屋〕は扇橋の南側の旧石島町に設定されています[2]

扇橋から白河町方面へ歩きます. しばし鬼平犯科帳からは脇道に逸れます. 真新しいお稲荷様を発見.




路地には昭和の質感.




昭和の下町情緒たっぷりの商店. 大正13年(1924年)創業だそうです[3]. 写真の建物は1947年開業,1959年増設,1964年再増設のもののようです. 建設時期が10年も隔たっていないのに建築様式の歴史的変遷が見て取れます.




南に向かい,浄心寺に近づくと寺町の雰囲気が濃厚になります.高層ビルが少なくなってきました.




江戸切り絵図を見ると,浄心寺の境内は相当に広かったようです.寺の門の中に鳥居が見えるのが日本の寺の面白いところ.




さらに南へ向かい,平蔵配下の同心木村忠吾一のお気に入りだった一本饂飩の〔豊島屋〕を目指します.鬼平犯科帳「掻堀のおけい」や「男色一本饂飩」に出てくる豊島屋は,海福寺という寺に隣接していました. 海福寺は明治43年(1910年)目黒不動尊のそばに移転したようです[4]. 海福寺があったと思われる場所の近くに,一風変わった洒落た建築様式の寺を発見しました.




一本饂飩の豊島屋があったはこの辺りと思われます.




さらに南へ向かいます.鬼平犯科帳「深川・千鳥橋」のラストシーンに出てくる千鳥橋があった筈の場所. 首都高速の下が〔油堀〕の筈で,この場所で油堀に架かっていた橋が千鳥橋です. 写真の左奥の大きな倉庫の場所が旧加賀町で,ここに盗人の隠れ家があった設定です.




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@720mamoru


参考文献


上に掲載した写真を
Nikon Image Space
にも掲載しました.フルスクリーン・スライドショー等の表示ができます.是非ご覧下さい.


使用した機材
カメラ:Fujifilm X-E3
マウントアダプタ:KIPON Shift C/Y-FX
レンズ:Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8 T* (MM)


最終更新:2018.02.01